青春が戻ってきました。

美しい妻が「音楽が聴きたいなあ」と、つぶやいたのが始まりで、それではとネットで調べまくりました。若いときはお金が無くて手の届かなかったアンプ類が、これまた比較にならないくらいに進化して、しかも安価なんです。さっそくレトロな真空管アンプを買いました。

次はスピーカー。なんと私の秘密の部屋に青春時代の残骸があるではありませんか。そーっとつなげてみました。懐かしい響きです。高音は絹のようなつややかな音色、低音はしっとりと響きます。なにせ３ヶ月分の給料を注ぎ込んだ代物ですから。残念ながら何ヶ月分かの給料を注ぎ込んだアンプやレコードプレーヤーは電気もつきませんでした。

とあるお店で高級スピーカーの音色を聞かせてもらいました。女性ボーカル、ジャズ、クラシックのCDを持ち込み、試聴です。圧巻！ オーケストラなどはまるでコンサートホールにいる気分です。かなり高いので美しい妻に聞こえるように、そっと独り言。

「ああァ、いいなあァ、ほしいなあァ・・・・・はあァ・・・うふん・・・・・・・」

間髪を入れず天女のような美しい声で、 「もう買うつもりなんでしょ！」